2012年8月15日水曜日

おおかみこどもの雨と雪


『おおかみこどもの雨と雪』

という作品を少し前に観に行きました。


【以下ネタバレ注意】

細田守監督の作品『時をかける少女』、『サマーウォーズ』どちらも楽しめたので
今回は公開される前から予告編やHPを見て
読み取れる少しの情報から勝手にいろいろと想像を巡らし
きっとこれは家族の「別れ」の話なのではないか
と予測していました。

なぜ「別れ」の話だと思っていたのか

・子供がふたりいる
 きっと単純に
「おおかみこども」が人間の世界でいろいろと苦労して成長していくお話
であれば、こどもはひとりでいいと思うのです。
しかしふたり。
そして男女。
人間にもおおかみにもなれる存在がふたりいたら
やっぱりそれぞれ別の道に行くのかなあ、と。

・前作は「出会い」の話だった
前作の『サマーウォーズ』は解釈によっては
というか私にとっては
主人公が大家族と出会ってむにゃむにゃする話でした。
また家族をテーマにする以上
何かを変えてくるのでは?と予測、期待していました。


このへんの予測はだいたい正解でした。
ただ先に書いたように
おおかみこどもが人間社会で生きていく
そのなかでの葛藤のようなものをメインテーマとして描いていくのか
と思いきや
そうでもなかった、というか
いや、そうっちゃそうなんですが
それほどその部分に時間を割いていませんし
そこを中心に、そのテーマをより強調して描くのであればあのような映画にはならなかったように思います。

ある意味単純に
女の子であった花が母になっていくお話や
雪と雨が成長していくお話を
とても丁寧に描いてる作品でした。

だからこそいろいろと見えてくるものがあったように思います。
ただそれゆえにとっ散らかってるように感じたり
ちょっとよく分からない部分もあったのですが
(主に花の最後ほうの心情の変化の根拠など)
しかしながら
素晴らしい演出や
何もかもをありのままで肯定してしまうような描き方で
観終わったときにはずいぶんとすっきりした気分で劇場をあとにすることができました。
お金を払って映画館で観る価値を感じる映画でした。

この作品ネット上ではいろんな方がいろんな見方をしていて面白いなあと思います。
きっと性別や世代、育った環境、子育ての経験、恋愛経験などで見方が変わってくるのかもしれません。
男性、20代前半、結婚歴なし、子育て経験なし、恋愛経験ごくわずかの私は
結構楽しめました。

こういう風な形で話題になる日本映画がもっと増えればいいのになあと思います。


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