2011年6月5日日曜日

放浪息子

風邪で寝込み
『恋文の技術』を読んでいたとき
『放浪息子』
という漫画も読んでいました。



これは今年の1~3月にかけてフジテレビのノイタミナ枠でアニメとして放送されていたものの原作の漫画です。
アニメは
水彩画のような淡いタッチ
絶妙な間のとり方
詩的な美しい映像表現
思春期の男女の繊細な心の機微を描いた素晴らしい作品でした。

アニメを見てとても感動したため
原作も読んでみました。

アニメと漫画では設定が若干違ったりもしましたが
漫画も素晴らしい作品でした。

この作品は
女の子になりたい男の子と
男の子になりたい女の子と
その友達たちの日常を描いた作品なのですが
特徴的だなあと思うことがいくつかあって

・「性同一性障害」、「トランスジェンダー」といった用語を使っていないところ。

作品として強いメッセージを持った「社会派」な作品にはしていません。
あくまで日常として描いていました。


・トランスジェンダーが受け入れられている設定

恐らくトランスジェンダーを扱ったフィクションは
トランスジェンダーを持った主人公が世間から受け入れられないところからスタートし
問題提起をしていきながら徐々に周囲に受け入れられていく
というのが定番だと思うのですが
この作品では
主人公である「女の子になりたい男の子」 
二鳥修一は
「男の子になりたい女の子」である
高槻よしの
と出会い、また
お話が性を意識しない小学生からスタートするためか
すんなりと受け入れてくれる友人ができます。
そこからお話がスタートします。
これって珍しいのでは?

あと細かいところですが漫画では
「好き」という言葉を必ず
「すき」
とひらがなで表記しています。
これもおそらく意識的なことかと。


この作品を観て、読んでいろいろと気付かされることがありました。
たとえば
なんで女の子は男の子の服を着ても(そんなに)おかしくないのに
男の子は女の子の服を着たらおかしいのでしょうね?
意識としては分かってもこれってなかなか説明できません。
性というのはやはりおもしろいテーマです。

この作品の連載はまだ続いていて
今主人公達は高校生になってるようです。
(ちなみにアニメは中学入学から中2の文化祭のみを描いていました。
これが素晴らしい。)
主人公達はどうなっているのでしょう?
どうなっていくのでしょう?
今後も続きを追っていきたいと思います。

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