2011年10月31日月曜日

殺戮にいたる病




「異常者」と「健常者」
という言葉を使う時
言葉として使われる時はその定義として
双方を分かつ明確なラインがあるような印象を受けますが
実はそこには
ラインなんてものはなくグラデーションがあるだけなのだというのは分かってます。
自分の中にもそうした悪意や衝動
そういったなにかしらの「獣」のようなものが潜んでいるからです。
樋口が犯人を追う理由としてそこが少しだけ描かれていましたが
読者も同じではないかと感じました。
そういった嗜好だったり衝動が心のどこかにあるゆえ
グロテスクであったり残酷な描写のある作品を手にとったりするのではないかと思います。

3人の登場人物の視点でそれぞれ時系列を少しずつずらして進んでいくのが印象的でした。


しかし上記のような部分はこの作品の持つ一番の魅力とは全く関係ありません。
そこはここには書きたくありません。
傑作でした。
読み終わった瞬間にまた最初のページから読み直したくなる
というのは私にはあまり経験がありませんでした。
この作品を手に取る際は限りなくこの作品について知らない状態であることをオススメします。

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