2010年12月13日月曜日

約束された場所で

村上春樹

『約束された場所で underground2』

という本を読み終えました。



これは『アンダーグラウンド』の続きに当たるノンフィクションです。
『アンダーグラウンド』は今年の夏に読みました。
その時のブログはこちら

『アンダーグラウンド』は
地下鉄サリン事件の被害者へのインタビューで構成されていましたが
こちらは今度は加害者側である(直接的な犯人ではありませんが)
オウム信者、元信者へのインタビューです。

『アンダーグラウンド』
よりもこの作品のほうがより事件の本質に迫っているように感じ
(表現が適切ではなかいもしれませんが)
私はより楽しんで読むことができました。

以前も書きましたが
一連のオウム事件はやはり

アタマがオカシイ奴らが起こしたテロ行為

ではないのだと思います。
もちろん一面的にはそうですし当時もそのように報道されていたようですが
本質、というか考えなければならないところは別にある
と改めて思いました。
オウム事件はなぜ起きたのか
この本を読んでまた少し分かってきたような気がします。
巻末にある河合隼雄氏との対談でも書いてあったような気がしますが
このままだとまたこういった事件が起きてしまうんじゃないか
と思います。
社会システムの問題
日本人の問題
そういった根本的な問題はまだまだ残ったままです。

僕がオウム事件に興味を持った理由は
ゼミの先生がオウム事件を扱った作品を作っていた
というのもありますが
もうひとつは、この事件の内容に触れるにつれ
僕はどちらかというと
「こちら側」の人間よりも「あちら側=オウム側」の人間に近いのではないか
と感じてしまったからです。

すいませんやや言い過ぎました。

しかしながらオウム事件の本当の怖さというのは
誰しもが加害者側になっていた可能性があった
ということだと個人的には思うのです。

なんでだか説明できるほどの能力が僕にはありませんが
映画『A』、『A2』や
この『約束された場所で underground2』を読めばなんとなく分かって頂けるかと。

ということでオウム事件に対する興味はまだ尽きていないので
最近発売された森達也氏の『A3』もそのうち読んでみようと思います。

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